«

12月 10

KOBE2024世界パラ陸上競技選手権大会活動報告

 2024年5月17日(金)~5月25日(土) に神戸市で開催されたKOBE2024世界パラ陸上競技選手権大会、および5月13日~5月16日のトレーニング期間に学会認定の健康スポーツナース17名が医療スタッフとして参加しました。

 大会参加に向けて、健康スポーツナースは、競技スポーツにおける傷害で多くみられる足関節靱帯損傷、膝関節靭帯損傷、脳振盪、熱中症アルゴリズムをもとに講習会を実施し、また負傷者の搬送やBLS、EAPに関する知識や技術の向上に努めてきました。また、大会前の3月には、会場を下見し、動線や段差のある場所を確認するとともに、健康スポーツナースの役割についてグループワークを行い、士気を高めました。

 トレーニング期間は、グリーンアリーナ、しあわせの村、補助競技場の救護所に健康スポーツナース各1名が配置され、救護業務に従事しました。大会期間中は、メイン会場の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場の医務室、競技場、観客救護室、また練習会場である補助競技場、グリーンアリーナ、しあわせの村の医務室に配置され、競技中の事故・負傷者、観客の救護を行いました。

 また、大会期間中、選手の競技中の事故に迅速かつ適切に対応できるよう、他の医療スタッフである医師やトレーナーとともに救護に関するシミュレーションを行いました。シミュレーション内容は、うつ伏せ状態で意識低下がある選手に対し、頭部固定、ログロールの実施、呼吸や意識の確認と対応、スクープストレッチャーへの移送で、繰り返し実施しました。シミュレーションにおいては、適切な判断とスキルが求められ、医師やトレーナーと連携しながら、健康スポーツナースとしての役割を意識して実施しました。

 実際の競技中の救護については、車いす競技の接触転倒への対応がありました。医師やトレーナーと連携し、対応することができました。競技特性の十分な理解とともに、一緒に活動する医師やトレーナーなど、多職種との連携の重要性を再確認しました。

 大会期間中の気温は平均25℃程度ですが、日中は30℃近くになり、日が沈むと17℃程へ低下し、昼夜の寒暖差を感じました。観客救護において健康スポーツナースは、昼間の熱中症予防の必要性から、定期的な巡回やWBGT測定を行い、大会事務局やボランティアスタッフと連携し予防に務めました。 今回、17名の健康スポーツナースが世界パラ陸上競技選手権大会において貴重な経験をすることができました。今後も健康スポーツナースが運動やスポーツ現場で活躍できるよう、多職種と情報交換を行いながら、更新講習等の取り組みに活かしていきたいと思っています。

神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会プロジェクト委員会